2006年11月12日

「父親たちの星条旗」を観る

11122006.jpgあいかわらずグレ気味の日々です。 低血圧絶好調です。 起きてるんだか、寝ているんだか、しまいにゃこの世のものなんだかわかりません。 癒しがほしい… 

そんなときに落ち込むのが解っている映画を見に行ってどーするよ? と思いつつ、誘われたので観てきたのが、「父親たちの星条旗」。 監督のクリント・イーストウッドにゃ前回「ミリオンダラ・ベイビー」で打ちのめされていたので、今回も自動小銃で撃たれちまう気分かも…な予感…。

結果、しっかり打ちのめされてきましたよ。 映像のスケールは迫力あったですよ。 上映中に自分が東海岸で一番大きい軍事基地のある場所で学生生活をしていた時、初めて両親がそこへむかう途中、車の車窓から「この国と戦争したんだから負けるよ」とぼそりと言ったのを思い出した。 今回、映画だというのに、硫黄島の周りに群がる軍艦のスケールを見て、「負けるよこれじゃ。」と今更感じた。 
しかし、戦争とは愚かよのう。 でもって、戦争もさることながら、政治的プロパガンダや、同じ国民ですらをもある人種への偏見ってのはホントいやーな気分になるもんだ。 まぁ、プロパガンダといえばこの映画だって2年後に控えた大統領選の中間選挙直前に公開されているのだから、共和党にとっちゃ少しは打撃を与える要因のひとつにもなったのか? 共和党惨敗で、ラムズフェルド更迭されちゃったし。 でもイーストウッド監督はたしか共和党支持な人だったような覚えもあったなあ。 それでも戦争について訴えたかったのだろう。

この像の本物を見たことがある。 というよりも、行った場所にあったという方が正しい。 もともと写真では見たことがあった。 その時「なあに?この像?」ってなマヌケな質問をした。 硫黄島は英語で書くとIWOjimaなのだが、友人のアメリカ人たちの発音では「イワォジィマ」になってしまっていたわけで、日本とは思いもしなかった。 返答してくれた友達も「軍人さんを称える像なんじゃないの?」というようなマヌケな答えだったと思う。そこは当時はお互いに「戦争を知らない」子供たちの集まりだったものなのでね。

でも、その時、「戦争を知ってる」友人の親御さんたちが、なんとなーく説明してくれたので(そりゃ日本人のアタシに説明すんのは難しかったろう)なんとなーく当時からどういう目的を持った像なのか解ったのだが、通常思い出しもしないニッポンの血とでもいうのでしょうか? 心の奥深くが微妙~な気分になったものだ。 そうか、スター&ストライプが突き刺さる土地は日本領土なわけだな…と。 

その後、何かと写真や葉書、切手、等々いろいろな形でこの像を目にすると、以前は「軍人さんはアメリカを守るために一生懸命です。」ってイメージで見ていたのが、アメリカ万歳!な像に見えてくる。 で、気分がザワザワする。 戦争がどうだこうだという論議は抜きにしても、ジャパニーズなもので特に日本がからんでると感じるとザワザワ度が高くなる。 

今回の映画で、この像にまつわった人たちの気持ちを知ったわけだが、映画を見に行った翌日にこんなニュースがあった。

硫黄島の戦い「最も重大」 米大統領、イラクに重ねる

ブッシュ米大統領は10日、南部バージニア州クワンティコの国立海兵隊博物館の開館式典で演説し、太平洋戦争の激戦地、硫黄島での旧日本軍との戦闘が「米国の歴史上最も重大な戦いの一つだった」と述べ、現在のイラクでの戦闘も同様に語り継がれるだろうと強調、米軍のイラク駐留の意義をアピールした。
大統領は約1万人の退役軍人らを前に、硫黄島の摺鉢山(すりばちやま)に立てられた星条旗が「米国の不屈の精神を象徴する永遠のシンボル」になったと指摘。
これにイラク戦争を重ね合わせ「将来、自由で繁栄した中東を目にすれば、(イラク中部)ファルージャでの戦いをガダルカナルや硫黄島と同様、米国人は畏敬(いけい)の念を持って語るようになるだろう」と述べ、イラクで活動する兵士の貢献をたたえた。

(共同通信)

ふーん。 この映画見てたらそうは演説しなかったろうに… イーストウッド監督、映画のDVDを大統領に見せてあげてください。

2部作となっている日本サイドからみた「硫黄島からの手紙」のほうも見ないといけませんです。

Posted by toto at 2006年11月12日 23:31
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コメント

こんにちは、totoさん
これは気になる映画です。
パリではもう随分前から上映されているのですが。でも、覚悟して行くべき?と思うと
なかなか足が向きません。

相変らずブッシュ大統領、ずれてますね・・・
‘語り継がれる戦闘’という発想が嫌い。

Posted by erin at 2006年11月20日 20:44

レス遅くなりました、すみません。
映画としてはよかったですよ、ただ、やっぱりジャパニーズなもんで…って気持ちにはなるかもです。 来週から硫黄島からの手紙も上映となります。 その前に007を観たい~♪
ブッシュ語録はあと2年でどれだけ増えるかですねえ。 困ったオッサンです。

Posted by toto at 2006年11月26日 18:41
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