2006年08月28日

戌年にはやはり犬もの歌舞伎

08282006.jpg仕事と腰痛に悩まされているこのところ。 暑いし、腰が痛いしであまり遠出もしたかない。
しかし、「まずい!『楽』られる!終わってしまうぅ~!」と焦って行ったのが歌舞伎座。 千秋楽ギリギリですべりこみでの観劇です。 だって『南総里見八犬伝』なんだもの。 

昔々NHKにて放送していた人形劇『新八犬伝』が大好きでした。 夕方の帯番組で、どんなに遊んでいようと放送時間までには帰宅。 文字通り、“ランドセルほっぽりだして”テレビの前に直行~。 「帰ってきたら手ぐらい洗いなさい!」と、じーさんに怒られておりましたわ。 当時から新しいもの大好き♪、家電大好き♪な父が、市内で数台しかないと某S@NYの販売店が言っとった程、早い時期だったにもかかわらずVCRを既に所持しとった家庭ではありましたが、機械もテープも高価なシロモノでしたから、子供番組(それも帯番組)の録画なんぞめっそうもないことでした。 子どもは生放送で見るしかなかったんだな。 それでも強力に記憶があるのがこの『新八犬伝』でした。 今も呪文のように言える「仁義礼智忠信孝悌」。ひとつひとつの玉とその玉を持つ八犬士は誰か?というつなぎ合せ。 子どもの時のこういう記憶ってのは強く残りますなあ。 このところなんぞ、数日たったら忘れることのが多いってーのにねえ。 とほほ。 

で、歌舞伎での南総里見八犬伝。 感想が上手に言えないけれど、若手の歌舞伎役者さん中心のお芝居のせいだったのか、舞台からの圧倒されてしまう迫力というか?役者さんから受けとる強力なエネルギーというか? そういう感覚が体には出なかった事実はあったものの、それでも面白かったよ。 観劇しに行ってよかった、よかった♪

特に、「名刀村雨」が摩り替えられたことが原因で始まった犬塚信乃と犬田小文吾の「芳流閣の決闘」は派手で綺麗だったなぁ(はぁと♪) ただ、なんたって八犬士と周辺人物と登場人物が多いから話の展開が変わると少し混乱もしましたです。 できればあと一回観たかったけれど、もう千秋楽だってば(涙)。
 
夏の納涼歌舞伎は通常の昼・夜の2部構成ではなく、3部構成で、「いつもの2部構成よりも短いだろう、開場も6時だしさ~。」とかノンキなこと思っていたら終わってみたら3時間半も上演(含む休憩)しとりました。 はぁー、やっぱり腰にくるわ。 (現在本気で治療中です。)

(以下、お食事中や想像力の豊かな方はご注意!)

しかしな、この高温多湿のク○暑い中、着物で観劇している方、ご苦労さんです。 夏でも粋なばーちゃんの絽(*)の着物とかは素敵と思います。 しかし今回遭遇してしまった女性にはちょっと固まったよ。 
(公式行事でない場所柄に限られるが)あまり決まりごとにとらわれず、好きな着物を着てお出かけしましょう♪、というこのところの着物好きな方々の方針は賛成だけれども、いくらなんでもその袷(**)は暑かろう。真夏の我慢大会ですかね? 単衣(***)だとしたって、こんな高温多湿な日は暑かろう。 というかですね… 臭うんです… 暑いでしょ? 多湿でしょ? その…横にこられるとアナタの腋臭が…(--;) レディなのにさ…(T△T)。 犬鼻の嗅覚力といわれるアタシには辛いったらございませんな。 着物にもアナタにもアタシにもいいことありませんでしたぜ。


*絽(ろ) シースルーな夏オンリーの着物。 他には7~8月だと麻とか紬もよろしいとのこと。
**袷(あわせ) 裏地が付いている着物。 季節的には10月から翌年5月まで。
***単衣(ひとえ) 裏地なしの着物。5月下旬~6月&9月

Posted by toto at 2006年08月28日 23:08
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Tracked on 2014年08月17日 19:34
コメント

おぉ~。なつかしや~。
♪いざとなったら玉を出せ~
じゃなかったです?まだ歌えるでしょ。

歌舞伎座での出来事、ご愁傷様でした。
私も警察犬並みの鼻のききようですので、そのご気分はお察しします。
私の隣じゃなくて良かったわ。ほっ。
一度前に座っていたおばさまの香水で鼻水が止まらなくなったことあります。

しかも袷のお着物で登場でしたかぁ。
私でしたら説教部屋へ即っ!お連れするのですが。(^_^)v

Posted by 柿 at 2006年08月29日 09:50

私も懐かしいですね。
ジュサブローさんですよねー。たしか?

今秋パリオペラ座にも‘KABUKI’が来ます。
一昨年海老蔵さんの襲名パリ公演に行きましたが、日本人の着物率高かったです。
でも皆微妙・・・(着付け、姿勢、立ち振る舞いとか)と、思っているところに凛とした美しい方が客席通路を横切っていらして富司純子さんでした。(息子さんが出演)
着物慣れが違いますよねー。
比べちゃいけないんだろうけど。

先日も終演直後のオペラ座の前で、着物で仁王立ちで煙草をすっている女性がいましたが、その貫禄たるや絶句もの。
ぐしょぐしょに着崩れた浴衣を着た若い人もいて(どちらももちろん日本女性)着る物って、totoさんのご経験のように匂いしかり、見た目でも人に迷惑かけないっていうのも大事な要素と実感しました。
つーか着物目立つから、隙なく気合を入れて欲しいと思いました。

Posted by erin at 2006年08月30日 00:05

うふふ♪皆さん覚えてらっしゃるのですね♪嬉しいわ。

>柿さん

>♪いざとなったら玉を出せ~
じゃなかったです?まだ歌えるでしょ。

はぃ~歌えます! ホントあの人形劇は大好きでしたよ。 坂本九さんの黒子も楽しかったなあ。
柿さんがいたらマジで説教してもらいたかったです! 説教部屋なんぞでなく、その場で正座で説教希望!です。 とっても高価そうなお着物だったのですよ。 絶対に臭いついてるよな…クリーニングとかできたとしても取れないかもな…と、余計な心配をしてしまいました。

>erinさん
そうそう、ジュサブローさんです。 今回の歌舞伎では登場はなかったものの、「我こそは玉梓が怨霊~」のあの怖い人形すら好きでした。
今年もパリにKABUKIが行くのですね。日本文化、アニメ以外でもがんばれ~♪ 私は以前NYで市川猿之助さんの歌舞伎をみたことがあります。 海外で観る歌舞伎ってのも日本にいると思わない「なんだか懐かしい」な気持ちにさせられますよね。 富司純子さんは仁侠映画でも粋な着物でしたっけ。 きっとオーラがでてたんでしょうねえ。 かっこいいだろうなあ。
仁王立ちでタバコは任侠映画の姐さんでもしませんよなぁ。(ある意味すごすぎです。) 
ある程度のTPOってのはやっぱり大切だなあ~と思わされた今回の事件でした。

Posted by toto at 2006年08月30日 01:12
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